題名「きよしこ」
作者「重松清」
この作者の本は初めて読みましたが、大変感動しました。吃音(どもること)の少年の物語を年代ごとに、実に淡々と綴っています。
名作ですね。(ココロさんに紹介された本です。)
吃音のためこころのなかでは自由に、どもらずに話せるが、人前ではどもってしゃべれない。父親の仕事の関係で転校が多く、転校初日の自己紹介で、どもるために笑われ友達がなかなかできない。カ行とタ行がどもるため他の言葉に置き換えて話そうとするがそうはうまくいかない。
この少年の小学生、中学生そして高校生の時のお話。
「乗り換え案内」と「北風ぴゅう太」の章では泣かされました。
「伝わらない心」「伝えたい心」「伝えるためには言葉に出して話さないと伝わらない」「たとえ吃音でどもろうとも」 「きよしこ」とは「きよし、この夜」を「きよしこ、の夜」と誤解。
「きよしこ」とはどもらずに少年は自由に話せる。
きよしこの言葉
「それが本当に伝えたいことだったら・・・伝わるよ、きっと」 作文が上手で、野球も上手でココロ優しい少年が吃音のため如何に生きて行くかを描いた作品です。自分を見失なわずに、自分という自己をしっかり確立している姿は素晴しいとおもいます。
是非読んでみて下さい。
- 2007/06/01(金) 22:21:37|
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